死に打ち勝つ力   −吉田欣司先生の証し−

二つの交通事故を通して

初めての教会
 高校三年生の時、ある教会の前で、友達三人で待ち合わせたことが あります。
その時、教会の人に声をかけられ皆で教会の中に入りました。
その日は、クリスマスのお祝いの日でした。帰りに、「一粒の麦」という 小冊子をプレゼントされました。
「十字架は丘の上に」という本の抜粋と いうことでしたが、いつかこの本を手に入れたいと思いました。

聖書との出会い  −奥様との出会い−
 次の年の四月、あの本を買い求めたいと、市内の教会をいくつか訪ねました。
七つ目に訪ねたのが現在、牧師をしている太田キリスト教会でした。
「その本は売れてしまいました。でも、もっと良い本があります」と、 聖書を勧められるまま買い求めて帰りました。
この本との出会いが私を変えました。 不思議な神の摂理でこの本を売ってくれた人と何年か後に結婚に導かれました。

まさかの出来事  −最初の事故−
 ところが、私の人生に「まさか」という出来事が起きてしまったのです。
交通事故です。親友のバイクに乗せてもらい、帰宅中でした。猛スピードで 後ろから何台も追い越してきたスポーツカーが、前から来た大型トラックに 気づいて急ハンドルを切って、私たちのバイクに接触、私は空中を飛び、 頭から落ちその上をトラックが急停車しました。
病院に運ばれましたが生死を さまよう日が続き、死に直面して初めて「生きたい」と切実に思いました。
小さいときに見た地獄絵が思い出され、苦しめられました。
ただただ死を恐れ、悩む日々が続きました。しかし、何の解決もなかったのです。

教会を訪ねて
 数ヶ月して快方に向かったころ、死に対する何らかの解決がほしいと、 以前聖書を買い求めた教会に松葉杖で行きました。
この日、星野富弘さんに お会いしたのです。
その頃はまだ二人ともクリスチャンではありませんでした。 でもその教会の牧師は祈り続けていてくださいました。

二つの伝道集会に出席
 退院してから教会に通い、聖書も読むようになりました。
間もなく伝道集会が開かれ、イエス・キリストを信じる決心をしました。
次の年、東京でビリーグラハム国際大会が開かれ個人伝道して頂き、 その後も導いて頂ました。

献身に導かれる
 自分自身もずいぶん死に直面しましたが、親友や多くの人々の死に立ち会いました。
特に幼稚園から高校、そして職場まで一緒だった親友が盲腸腹膜炎の手遅れで あっという間に亡くなったときには、大きなショックを受けました。
最初のバイク事故もこの友人に乗せてもらっていました。一緒に教会に行って 主を信じて召されたことは慰めでした。
一番「死」に近かった私が生かされました。 いのちの源は神様だと、このころ気がつきました。
友人に、 「吉田君のこれからの人生は付録だね」と言われ、 この言葉がいつも心に残り困りました。
ついに残りの人生を神様にささげ、牧師になる決心が与えられました。
星野富弘さんの詩画に
「いのちが一番大切だと思ってい頃、生きているのが苦しかった。 いのちより大切なものがあると知った日、生きているのが嬉しかった」
とあります。
 すべての摂理の中で働かれる神様が苦しみや、さまざまな出来事をすべて益に してくださるのだと確信しています。死の恐怖もその一つです。

峠で二回目の交通事故に遭って
 四年ほど前に、またまた事故に遭ったのです。
帰りに、雪が降り、 同行者の車のチエーンがもう着け終えるまでになり、自分の車に戻ろうとしたとき、 気づかないで作業を続けていた人たちに、大きな車がスリップして来たのです。
その前に立って力を入れ止めようとしましたが、私は車と車の間に挟まれ骨盤の 骨折股関節が潰れ大怪我をしました。
三日の命と言われましたが心は平安でした。
「死に打ち勝つ力」と「神の慰め」をいただいていたからです。

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